待ちに待った事件シリーズ【無傷姫事件 injustice of innocent princess】

  • 書名:無傷姫事件 injustice of innocent princess
  • 著者:上遠野浩平
  • 出版社:講談社ノベルス
  • 発売日:2016/01/06
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「事件シリーズ」としては6冊目になるのだろうか?前作「残酷号事件-the cruel tale of ZANKOKU-GO」は2009年の作品らしい。待ちに待ったという感じだ。
読み進めていくうちに登場人物を思い出していくという感覚はシリーズものの特徴かもしれない。

今作はいつもと違ってなのか、いつものようになのか以前の作品を読まないとちょっと思い出せないのだが、
「界面干渉学」という概念がちょっぴりわかりやすかったと感じるのは久しぶりに読んだためか、それとも大人になって理解力が上がったのか。
我々の科学という概念を魔法に置き換え、それを利用することに不自由を覚えない世界。
我々が科学の恩恵を意識せずに享受しているのと同様に。
一方の世界から見れば確かにそれは魔訶不思議な世界であるが、住んでいる人間にとっては当たり前のことであって、それをあちら側からのぞいているという構図。
という世界観をイメージしている、頭の中で展開していくことができるときの、作者の立っている世界は瞬間的にどちらの世界なのだろう。

この話はとある国ができて、その君主たる姫君のお話しである。
ミステリーの雰囲気をもたせつつ、(何せ「事件シリーズ」なのだし、ホームズ・ワトソンの関係なわけだし)、過去の話から現在までの進行形の話である。
登場する姫君たちに関しては、読むたびに思い入れのある人が変わりそうな気がする。

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