棋士×棋士がおもしろい【将棋・名勝負の裏側 ―棋士×棋士対談―】
- 書名:将棋・名勝負の裏側 ―棋士×棋士対談―
- 出版社:マイナビ出版
- 発売日:2016/7/14
棋士同士の対談形式で進みます。
取り合わせも先輩後輩あり、中堅同士あり、トップ棋士と女流棋士もあり、若手同士もありと様々。
棋士同士だからこそ聞ける話や、わかちあう共通の価値観などが見えておもしろい。
羽生世代や渡辺世代が注目される中、その前後の年代の棋士たちやベテラン勢の話を聞くことができて嬉しい。
図も掲載されているが、その図に対し対談者が解説や思い出を話す形式で手の解説は多くないので、棋譜が読めないという人でも、将棋はよくわからないけど将棋の棋士が好きだという人でも楽しめる内容になっている。
以下敬称略。
「木村一基×野月浩貴」「豊川孝弘×近藤正和」の対談では中堅どころの棋士たちの心のうちが見える。
奨励会時代の厳しかった思い出や、勝負師としてのプライド・矜持が語られる。
「塚田泰明×中村修」のタイトルはズバリ「55年組とは何だったのか?」であり、羽生世代の前にタイトルを一気に奪った世代であり、羽生世代に一気に抜かれたように感じる55年組の2人の対談だ。
その他にも石田九段が入門当時からの様子を自分で語るのもおもしろい。
「福崎文吾×浦野真彦」ではこの2人ならではの軽妙なトークと、東京と関西の違いや関西での奨励会の話など、正直言って目次をめくってこの2人の対談があったからこそ購入の決め手となったと言っても過言ではない。
最後2編では「広瀬章人×戸辺誠」「村山慈明×戸辺誠」とこれから活躍して行く若手同士の対談であり、現状に対する率直な不安やこれからの目標など、爽やかに終わる。
本書は将棋世界誌からの抜粋されたものだということ。
できることなら続編が出ることを期待したい。
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