万城目学さんの「悟浄出立」を読んだからやっぱりこっちも【現代日本文学館 李陵 山月記】
万城目学さんの「悟浄出立」を読んで、やっぱり中島敦の方も読まねばということで購入。 前回の記事 実は西遊記って読んだことなかったです【悟浄出立】 李陵 中島敦のイメージは国語の教科書にあった「山月記」。 山月記も本書に収 […]
世界は螺旋に進んでようやく虚空牙にたどり着く【螺旋のエンペロイダー Spin4. 】
上遠野さんのシリーズは他のシリーズと同じ世界観の中で並行も絡まっているのだが、本作で虚空牙の「ナイトウォッチシリーズ」と直通でつながったような気がする。 「ナイトウォッチシリーズ」の1作目「ぼくらは虚空に夜を視る」が発売 […]
初草の君のけなげ、みずらの伊勢物語【ばけもの好む中将 伍 冬の牡丹燈籠】
ばけもの好む中将シリーズも5冊目に突入。 タイトルがいいよなぁ。ばけもの好む中将だもの。 怪異を女人のごとく愛でるばけもの好む中将こと宣能と、宣能に振り回される12人の姉を持つ男宗孝のお話。 今回は宗孝の姉梨壺の更衣(8 […]
平安時代と仏教と空海像を破壊された本【沙門空海唐の国にて鬼と宴す】
遣唐使として唐に渡った空海の物語。全4巻。 主人公空海の隣には橘逸勢。 登場人物がコンビでストーリーを展開していくのは、陰陽師シリーズと同様。 好き嫌いは分かれるかもしれないが、フォーマットとして安心して読むことができる […]
神仙と人間の感覚の違いと饕餮【王の厨房】
僕僕先生シリーズの生まれた頃の僕僕の姿を描く「僕僕先生 零」シリーズの2冊目。 黄帝、炎帝、西王母の三聖が作った世界に、アンバランスが起きている。黄帝と西王母がタッグを組み、炎帝の治める炎天との間に仙骨を持つものが抜けら […]
物語はクライマックスに向かっている模様【戦旗不倒 アルスラーン戦記15】
前作『天鳴地動』が出たのが2014年5月。2年くらいだから、早いのかな(笑) アルスラーン戦記は高校生の間に角川文庫版で『妖雲群行』まで読んで、一人暮らし始めてからカッパノベルズ版でまた全部揃えていっている。 挿絵が変わ […]
ファンタジーが現代とリンクしてくる【黄金の烏】
阿部智里さん「八咫烏」シリーズ3作目。 今回は前2作よりちょっと厚いです。 内容的には、八咫烏の宮廷世界、貴族層の妃選びにまつわる話をミステリー風味に仕上げた「烏に単は似合わない」、「黄金の烏」の主人公(?)雪哉の生い立 […]
「挫折は青春の必須科目」ってかっこいい【幻想映画館】
履歴書に「特技:探し物」と書いたら山の上の登天郵便局に採用された新卒のアズサのお話に続く「幻想」シリーズ第2弾。 ※1冊目の幻想郵便局について記事はこちらです。 幻想郵便局に呼び起こされたノスタルジー【幻想郵便局】 今回 […]
研修旅行にてヒナギクさんに大いに助けられた話【水仙の夢 竜宮ホテル】
しばらく積読になっていたこの本をようやく手に取ることができたのは、研修旅行の間。 ちょっと嫌なことやら面倒事が立て続いていて、精神的にひどく落ち込んでいた時だった。 自分の居場所なんてないんじゃないかって。 落ち込みすぎ […]
オルタナティヴ・エゴついて考えてみた【ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティヴ・エゴの乱逆】
オルタナティヴ・エゴとは何か 凪と末間の会話の中で、末間が解説してくれているので引用する。 我を張るくせに、そこには自分が何にもないのよ。 オルタナティヴ・エゴは、誰でもいい自分、というべきもの。それは縄張り意識だけがと […]