久慈良餅が食べたい【まるまるの毬】
- 書名:まるまるの毬
- 出版社:講談社文庫
- 発売日:2017/6/15
西條奈加さんの本を読むのは初めて。
お江戸の菓子舗「南星屋」の一家を巡るお話で、お菓子がたくさん出てくるお話。
主人公は南星屋の主人、治兵衛。元は500石の旗本の次男。
全国に渡りの職人として菓子巡りの修行をして、今は南星屋の主人となっている。
治兵衛の娘、お永は治兵衛の全国修行中に生まれた子で、江戸に戻ってから一度嫁いだが、現在は離縁して南星屋を手伝う。おっとりして見えるが、芯が強く記憶力抜群。
お永の娘、お君は明るく誰にでも好かれる南星屋の看板娘。
南星屋では治兵衛がその日(の気分)に合わせて店に並べる菓子を決める。
並べられる菓子は、全国修行で見て来たお菓子に治兵衛がアレンジを加えたもので、駄菓子以上であって、大手の敷居の高い菓子屋では買えないようなもの。
庶民が気軽に食べられる値段で楽しんでもらえるような菓子は、とても薄利だけれど毎日行列ができて早々に売り切れてしまうほどの人気。
治兵衛の出生の秘密と、南星屋の家族に巻き起こるストーリー。
登場するお菓子の描写を、頭の中でイメージしていくのも、脳内で食べてみるのも楽しい。
お菓子ではなけれど、ページをめくる手が止まらなかった。
この本はシリーズ化されないのかな?南星屋の続きがもっと読みたい。
それから、自分としてポイントが高かったのは澤田瞳子さんが解説だったっていうのも、購入のきっかけだった。
久慈良餅
読んでるうちにバチっとスイッチが入ったのが、2章目にちらっと登場した鯨餅。
知ってるよ「くぢらもち」。
青森にも「久慈良餅」っていうお菓子(お土産、銘菓)があるのだ。
「今日拵える鯨餅は出羽で、錦玉羹じゃ、いまじゃ江戸でも見かけるが、京で見覚えたものでさ」
P64より引用
あら、出羽(山形)のお菓子なのですね。
その見た目がどうかというと、
餡の小豆色が餅の白さを引き立てて、目に鮮やかな菓子だが、いったいどこが鯨なのかと、翠之介はしきりに首をひねる。
いわば皮のついた鯨肉の切り身を模した菓子だ。
P68より引用
これは知ってる「久慈良餅」とは見た目が違うな。
昔から食べてる久慈良餅は、こげ茶というか、あんまりパッとした見た目ではなかったような気がするし、中にくるみが入っていたもの。お茶飲みながら食べるにはいいのです。
ということで、青森の「久慈良餅」はこんな感じ。よかったら食べて見てください。
価格:1,330円 |
## 参考サイト
広告
広告
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。
- トラックバック URL
この投稿へのコメント