Web制作から考えるTumblr

前回はちょっとTumblrについて考えてみた。

前回の記事はこちら
Tumblrについて

ではWeb制作を仕事にしているものとしてTumblrはどのように使えるか、どのように見えるか。
固定ページを作ることができ、デザインのカスタマイズができる(HTML・CSSの編集ができる)ので、簡易的なCMSを作ることができる。
系統としてはWordPress系。ブログ機能を使って時系列にコンテンツを追加していく感じに構築できる。
その上でのメリット・デメリットを考える。

TumblrをCMSとして利用するメリット・デメリット

サーバ・ドメインが要らない

つまり初期費用がかからない。
ブログなら無料のサービスがたくさんあるが、ちょっとしたサイトを作ろうと思うと基本的にはサーバ(データを入れておく場所)とドメイン(名前もしくは住所に当たるもの)が必要となる。ドメインは取得し維持するのに、サーバもレンタルサーバならどうしても費用がかかる。
Tumblrの場合はこの費用なしで始めることができるし、もし独自にドメインを取得するならそのドメインを設定することもできる。

もしもっと機能的とか他の理由で必要があれば、そのときにWordPressなりレンタルサーバなりに引っ越せばいい。

WordPressのインポートには初めからTumblrがある

実はWordPressのダッシュボードで「ツール」→「インポート」と進むと、初めからTumblrからのインポートツールがあることはご存知だろうか?
世界的には利用者の多いTumblrなので、移行の需要が高かったのだろう。
だからいざTumblrからWordPressに引っ越したいときは、比較的ハードルが低い。

※WordPress 4.5.3が今使っているWPのバージョンだが、下のスクリーンショットの通り、Tumblrのインポートツールはこのバージョンではテストされていないとのこと。使う際は自己責任でお願いします。インポート用のプラグインもあった気がします。

tumblrimporter_ss

Twitter・Facebookと連携できる

Tumblrはブログの設定画面で投稿をTwitter・Facebookにも投稿するかどうかが設定できる。
サードパーティ性のツールを使ったり、プラグインの選定をしたりしなくてもいい。

スマホからの更新が楽

他のブログのスマホアプリと比べると、TumblrアプリはSNSアプリに感覚が近い。
Twitter・Facebookなどをスマホで利用することに苦がなければ、更新のハードルは低い。
PCの前に座ってダッシュボードで記事を作成、というとお固くなってしまうが、これならできるという人は結構いると思う。
クライアントワークとして考えると、使ってもらえるということはとても大事な要素だ。

Instagramから投稿できる

これは大きい。
PCを使わない人も増え、スマホの自分の好きなアプリだけで完結できることは心理的障壁をかなり下げてくれる。
他のアプリからInstagramへ投稿できるというのは現時点で難しいが、Instagramを起点としてTumblr→Twitter・Facebookという流れを確立できる。

Google Analyticsの登録ができる

運用を考えるうえで、やはりGoogle Analyticsは入れておきたいところだろう。
初期費用が無料で(サーバ・ドメインがいらない)サイトを作ることを考えると、例えばWixでもよいのだけど、Wixの場合Google Analyticsを導入するには有料アカウントにしなければならない。(2016.07現在)
運用面を考えるとちょっと痛い。HTML・CSSの勉強がいらない、全く自由にレイアウトしたい、とかの希望ならばWixの方が向いているかもしれないが。

Google Analyticsと同様に、Adsenseも入れることができる。

PHPはいらない

Tumblrのテンプレートファイルは1枚だけ。そこに全てを書く。
ここで使うのがHTML・CSS・Javascriptの3点セットにTumblrの独自タグ。Tumblrの独自タグの一覧はこちら。

感覚としてはHTMLテンプレートとかEJSとかを使う感覚に近いと感じる。
新たにPHPを勉強しなくてもいいので、制作側としてはその分の学習コストが抑えられる。
コードを普段あまりかかないデザインメインの人でも、テンプレートを作りやすくなっている。

カテゴリがない

これはデメリットだろう。
ブログとしてはカテゴリとタグの組み合わせでカテゴライズしたりすることが多く、タグしかないのはちょっと整理がつけづらい。
また閲覧する側としてもカテゴリがあった方が使いやすい。

この辺りは、デザイン面でカバーしたり、使うタグを予め固定して運用したりである程度カバーできる。
どうしてもカテゴリが必要に規模になってきたら、それこそそのときにWordPressにでも移行すればいい。
こうやってあげていくと、結構メリットもあるんじゃないかと思う。

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この投稿へのコメント

  1. Kozy OGAWA said on 2017年1月22日 at 2:08 PM

    Tumblrがなかなか日本ではマイナーな理由

    海外と国内ではユーザー層の違いが大きいと考えます。
    1.海外ではTumblr Girl
    海外ではTumblr Girlと呼ばれるティーンエイジャーの間で使われています。
    最新流行のファッションを追っかけ、ヘアースタイルやコスメ、彼氏との2ショットを投稿してリア充アピールする人たちです。
    ・tumblr girlってどういう意味ですか? – 自分の… – 英語 | Yahoo!知恵袋 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10159394115
    ・Tumblr女子のリアルライフ – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=BvItxTGNId0
    ・How to Become a Tumblr Girl (with Pictures) – wikiHow
    http://www.wikihow.com/Become-a-Tumblr-Girl

    2.国内ではサブカル女子
    一方国内ではコミケに参加するサブカル女子や
    ・”超”初級サブカル女子入門 – トゥギャッチ
    https://togech.jp/2013/08/13/3013
    サブカル層をターゲットとしたアイドルなど
    ・でんぱ組.inc公式サイト
    http://dempagumi.dearstage.com/

    国内でユーザーを増やすにはInstagramのキラキラ女子たちが
    「Instagramを起点としてTumblr→Twitter・Facebookという流れを確立できる。」
    という使い方に気づくことだと思います。

    • nagamel said on 2017年1月23日 at 10:27 AM

      > Kozy OGAWAさま

      OGAWAさまのご考察の通りだと思います。
      僕もInstagram発tumblr経由っていう経路は比較的利用しやすいかな、と。
      Tumblrの場合、「発信するメディア」だけでなく、「自分の好きなものをなんでも(画像でも文章でも動画でも!)収集できる場所」という良いところがあるんですけどね。
      SNSは発信するもの、という意識が日本では強いのかな、とも思います。

      比較的容易かつ安く独自ドメインで自分のWebサイトを持つことができる、っていうことだけでも一つ大きな魅力だとも思ってるんですが。。

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