鬼平犯科帳の番外編だなんて知らなかったのだもの【乳房】

  • 書名:乳房
  • 著者:池波正太郎
  • 出版社:文春文庫
  • 発売日:2008/2/8
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去年から今年にかけて鬼平犯科帳シリーズを読破したのだけれど、ここにまだ番外編があったことは知らなかったのだ。。
鬼平犯科帳シリーズは間違いなく実家にある、祖父の本棚のどこかに、と思うんだけど、全ての巻がバラバラになってしまっているから、探すよりも自力で買うことを選択した。

というわけで久しぶりに鬼平の世界を堪能したのだけど、なんでしょうね、この池波正太郎さんの安定感というか安心感というか。
間違いなくおもしろく読めるという信用でしょうか。
そういえば鬼平犯科帳アニメ化されるらしいですね。

鬼平はなかなか出てこない

この本では鬼平こと長谷川平蔵はなかなか登場しない。
幼い頃に父親につけられたという傷跡が顔に残る、お松という薄幸の女性がメインに話が進む。
一緒に暮らし、捨てられた煙管師から最後にかけられたひどい言葉がずっと心に残ったまま、女性としての自信を失ってしまったお松。
偶然見かけたその煙管師を思わず殺害してしまい、その罪悪感を背負ったまま生きて行くお松と、それを拾った阿呆鴉の長兵衛はじめ周りのひと癖もふた癖もある人たちと過ごす中で、お松はどのように変わっていくのか。
過去に起こしてしまった過ちを平蔵はどうするのか。

ちなみにお話がスタートした時点で、まだ平蔵は火盗改ではない。
物語も中盤以降になると、与力の佐島、彦十といったいつもの面々も登場し、どんどん楽しくなっていく。

それは「呪」なのです

まるで不作の生大根をかじっているようだ

これがお松がかけられた言葉。
その言葉に捕らわれてしまったお松は、すなわち陰陽師でいうところの「呪」にかかった状態だ。
陰陽師に限らず、自分を振り返っても人からもらった良い言葉、悪い言葉に引きずられていることってあるなぁ、とつくづく。

しかし「不作の生大根」っておもしろい表現だな。
ひょろひょろなのか、みずみずしくないのか。
骨ばってるのか、でも干大根ではなくて。

煙管というもの

平蔵が煙管の持ち加減、吸い口でその煙管を作った職人を特定する場面がある。
煙管とはそれほどまでに個性の出るものなのか。
ちょっとした煙管への憧れがあって、煙管で吸う煙草がやけにおいしそうに見えるのだ。

柘製作所(tsuge) 浅草煙管元禄藍金色鍍金 #50971 キセル きせる

煙草がおいしそう、というか、読むと吸いたくなるのが森博嗣作品。
きっと犀川先生やら西之園さんのおかげです。
昔はホームズのパイプも憧れたけどね。

蕎麦が食べたくなるのです

池波作品といえば食べ物が美味しそうなこと。
特になんだかお蕎麦が食べたくなるのだ。今日はお蕎麦にしようかな。

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