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太閤秀吉の志の系譜【真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝】

主人公は毛利勝永。大阪夏の陣で徳川家康と真田信繁(幸村)とともに追いつめたとされる人物の一代記である。上下巻。 毛利勝永が主人公の小説は、中路啓太さんの『獅子は死せず』を読んだけど、あれは半生だったと思うから、幼少時代か […]

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なにのために戦うのか、アッテンボロー提督のセリフとともに【誉れの赤】

あらすじのようなもの(ネタバレ注意) 最強と呼ばれた山縣昌景の武田家「赤備え」。 この赤備えに同心として所属する成島勘五郎と飯沼藤太は幼なじみ。 もともと藤太は成島家で下人の働きをしていた農民の息子。 身分は違えど「五郎 […]

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「殿、利息でござる!」の原作読んだ【無私の日本人】

2016年に阿部サダヲさん主演の映画「殿、利息でござる! 」が公開されることを知って、原作を読みたくなった。この映画はフィギュアスケートの羽生結弦さんが出演されたことでも話題ですね。 この本は小説なのかな?著者の磯田道史 […]

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まぐるはどのように見えるのか【泣き童子 三島屋変調百物語参之続】

三島屋おちかが黒白の間で百物語を集める、三島屋変調百物語シリーズ3冊目。 収録されているのは、 魂取の池 くりから御殿 泣き童子 小雪舞う日の怪談語り まぐる笛 節気顔 の6編。 怪異の地域 「まぐる笛」は出府してきた若 […]

冬の立山で戦国武将は何を見たのか【沙羅沙羅越え】

佐々成政のイメージって「花の慶次」に出てきた時のイメージしかなくて、実際にどういうことをした人なのかよくわかってなかった。 この話は、越中富山城主時代の成政の話。 お隣の前田利家が秀吉の命で攻めてくるところに、秀吉との戦 […]

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秀吉像について考える【花戦さ】

初代池坊専好が主人公。若い頃に自身の虚栄心を見透かされたことにより、同じ美を極めんとするものとして、千宗易(利休)との間に親友関係を結ぶ。 親友利休が秀吉によって切腹させられたことへの怒り、天下人としての秀吉に対し花人と […]

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恩田木工に沙中の回廊を重ねてみる【真田騒動―恩田木工】

真田丸が流行っているらしい。 なんせTVを持たない生活をして10年以上になるから、よくわからないのだけど。 僕にとって2015年は池波正太郎元年だった。剣客商売、鬼平犯科帳をまとめて読んだ。 これまで読んでこなかったのに […]

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やぶ医薄斎は藪医者なのか?【やぶ医薄斎】

時代設定は江戸時代。九代将軍家重の時代。 本書の主人公冴えないのである。 名前は枯田薄斎。まずいきなり名前に悪意を感じる(笑) 見た目は冴えない中年。酒癖が悪くて(大言壮語・飲みたがり)、卑屈で(自分が医師としてレベルが […]

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陸奥という国と泰衡という人物【炎立つ】

「炎立つ」全5巻読了。ここでは主に5巻について。 藤原泰衡について 奥州平泉を考えるときに、僕の持っている知識や先入観では、藤原泰衡という人物はあまり印象が良くなかった。兄頼朝に追われ、小さいころの伝手をたどって奥州に逃 […]

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信長の家臣から見た信長と点というセンス【王になろうとした男】

王になろうとした男、読了。 カリスマ主君織田信長に使えた人たちの短編集。 配下からみた信長としての主君像が描かれており、その視点は羽柴秀吉、明智光秀、柴田勝家など有力武将ではなく、毛利新助、塙直政、荒木村重、津田信澄、タ […]