ぐるぐるまわる狸の本と電気ブランが飲みたい【聖なる怠け者の冒険】

  • 書名:聖なる怠け者の冒険
  • 著者:森見登美彦
  • 出版社:朝日文庫
  • 発売日:2016/9/7
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うちの中では「ぽんぽこ仮面」と呼ばれておもしろがられている本である。
物語のはじめに人物の紹介。
ずっとこれだけ読んでても楽しい。他に100人くらいの人物紹介があってもいい。
そんなに登場人物がいたかどうかはさておき。
もうずっと人物紹介で、いきなりあとがきになってしまっても、おもしろかったととても満足してしまいそう。

ということで、はじめからわっしりと心を掴まれてしまった本作。
ある怠け者青年の実は宵山の土曜日たった1日を描いた作品。
読み終わるまで1日の話だって気がつかなかった。こんな充実?凝縮した1日は、過ごさなくてもいいかぁ。

まわるまわるまわる

森見さんの本は、なんだかぐるぐるぐるまわるのだ。
同じところを、似たデジャブの中を、時間が螺旋を描くように。
正義の怪人ぽんぽこ仮面だって回っていたじゃないか。

読みながらぐるぐる回っているうちに、これは何かに似ているなと思った。
あー、これは学生時代の飲み会と一緒だ。
仲間内でどうでもいい話をしながらだんだん酔っ払って訳が分からなくなっていくときの感覚に似ているのだ。
ということはなんだ?自分は今酔っ払っているのだろうか?
断じてシラフのはずじゃないか。それならどうしてこんなにくるくるしているのだろう??

狸の本

うちでは森見さんの有頂天家族は「狸の本」と呼ばれている。
狸の本の人がぽんぽこ仮面の本を出したから、それはもう早速購入したのだ。
相変わらず京都の狸は毛玉でテングブラン(偽電気ブラン)を飲んでいた。
ちなみに電気ブランっていうのは実在のお酒だったんですね。

合同酒精 電気ブラン 40度 瓶 720ml

もうやっぱり、森見さんは狸の人なのだ。
狸の人にすっかり化かされてしまったけど、おもしろかったのだ。
ところが森見さんの本で初めて読んだのは「きつねのはなし (新潮文庫) 」だったという。
なんてこったい。。

きつねのはなし (新潮文庫)

「充実した週末」や「週末の拡張」もいいけれど、「人間である前に怠け者である」ことには大いに賛成なのだ。

参考サイト

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