研修旅行にてヒナギクさんに大いに助けられた話【水仙の夢 竜宮ホテル】
- 書名:水仙の夢 竜宮ホテル
- 出版社:徳間文庫
- 発売日:2016/2/5
しばらく積読になっていたこの本をようやく手に取ることができたのは、研修旅行の間。
ちょっと嫌なことやら面倒事が立て続いていて、精神的にひどく落ち込んでいた時だった。
自分の居場所なんてないんじゃないかって。
落ち込みすぎて、考え事を始めるとズブズブ、ズブズブと終わることのない堂々めぐりに陥って余計に落ち込むの繰り返しに嫌気が差して、読書に現実逃避を求めたことは否めない。
こういう時に精神揺すぶられる本に当たるとキツイんだよなーとか思いながら読み始めたのだけれど、本に没頭して気持ちがこんなに落ち着いていったのを感じたのは初めてかもしれない。感謝なのである。
本書には短編が数編収録されている。
乱れに乱れた精神を最初に迎えてくれたのは、妖のヒナギクの語り。
妖と幽霊と不可思議なことが当たり前に起こる、作家響呼の暮らす風早の街の、節分の夜の物語。
あぁそうか、節分は旧正月か。とても長い長い時間の果てのクライマックスに「泣いた青鬼」はどこへ行くのか。
この本を読んで、考え事で眠ることがうまくできなくなってしまってのが、なんだかすっきりして、眠ろうかなという気になれたのだ。
思わず一気に読み終えてしまった。おかげで帰りの飛行機で読む本がなくなって、慌てて旅行先で買うことになったけど。
よく考えたら満点のハッピーエンドばかりじゃない。うまくいかない現実は継続したままで、その現実に対して気持ちの整理をつけられただけ。
だけど、そのことが大事なんだよねってことを思い出したから眠れたのかなぁ。
GW前半に帰った東北ではたくさんたくさん水仙がいたるところに咲いていた。旅行先ではユリの花がたくさん咲いている。
住んでるところでずいぶん野辺に咲く花も違うもんだな。こっちじゃもうヒマワリが咲いているし。
きっと僕のところにはサンタクロースはやってこないし、人と違う能力もない。
読み終わって、何かが浄化されてしまったような、そんな気分。
とてもすっとした、ほっとした読後感だった。
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